長編
□第三十訓 チョコはいいから愛をくれ
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「じゃあさ、始めるの?」
あまりに軽い口調に少々いらだちながらも高杉は答える。
「ああ。…ド派手な祭りをよォ」
うんうんと頷く神威。
「じゃあもう一度確認。…途中の利益は俺が、結果の利益はお前が取る。…そういう条約だったよね」
「構わねェ。…交渉成立だ」
「そ。じゃあ…楽しみにしてるよ?」
高杉にとって過程なんてどうでも良かった。
彼の目的はただ一つ。
彼の右目が見つめるのは、ただ一人。
キセルを口から離し、ニヤリと笑った。
…奪う。でなきゃ、ぶち壊す。
…ただそれだけだ。