長編

□第三十訓 チョコはいいから愛をくれ
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恒道館道場の門をくぐり抜けて、みんなの待つ台所へ。


「アネゴ!来たアルよ!」


神楽ちゃんが元気良く出迎えてくれた。
かわいいエプロン姿だ。


「あら、遅かったわね^^みんな待ってましたよ」

「ごめんなさい!ちょっとそこで銀さんに会って」

「何ですって!」


あ…やべ。


「さて、葉月ちゃんも来たから始めるとするか…」



そう、あたしは今日、みんなとバレンタインチョコを作る約束をしていたのだ。


神楽ちゃん、お妙さん、九ちゃん、月詠さんにさっちゃん。

みんな、銀さんを通じて仲良くなった女友達だ。
普段野郎ばっかの屯所にいるあたしを気遣って銀さんが紹介してくれたのだ。


「まずはチョコを溶かしましょう」


お妙さんがにこやかにボールに入ったチョコを見せてくれた。



…ん?チョコ?
もうすでに違う色をしている。
どす黒い…。



「ビターチョコにしてみたの♪」
いやビターとかホワイトとかじゃないから。


「…ぬしは何をしてるんじゃ」
「何って銀さんにあげるチョコ作ってんのよ!きまってるじゃない!」

「なぜ口にチョコを塗っているのかとい聞いている」
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