短編
□先に会いに行くのは俺/私だ。
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桂は桜をまじまじと見た。
頭のてっぺんから爪先までー…。
ごくっ…。
唾を飲み込む私。
どうだ、いけたか…?
「うむ、よかろう。お前も今日から俺たちと共にレッツ攘夷だ!」
「ありがとうございます!」
…よっしゃ。
私はにこやかに答えながらも心の中ではほくそ笑んだ。
私の正体。それは武装警察の監察。
山崎があんぱんの食い過ぎでダウンした今、彼に代わって私が潜入捜査に来ているのだ。
【一週間、桂小太郎の元に潜入し、隙を作れ。】
その隙に沖田ら一番隊や土方が乗り込んで来て、桂とその一味を一網打尽にする…。
そんな作戦だった。
私は難なく攘夷志士試験にクリアし、(山崎は手こずったらしいけど、攘夷志士になりきって答えれば簡単だった)面接もクリアした。
面接で、私は初めて桂小太郎を見た。
噂通りの長髪。横の変な生き物。
そして噂以上の優男だった…
(こんな男が狂乱の貴公子?攘夷時代の英雄?)
私は疑問を感じながらも面接に臨んだ。
それにしても。
…なぜにメイド喫茶。