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□孤独論
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孤独を打ち明けるのには勇気が要る。
先ず何よりも相手が要る。
兎に角相手さえ見つかったら
どう切り出して良いものか
凝っと考えてみる。
相手は沈黙に終には癇癪を起こし
時間の無駄等を並べて去ろうとする。
そこで手近な近況を語って
相手の機嫌を取り繕う。
相手は苛々しながらも
その話に聞き入る。
どうにか一段落したところで
実は孤独の一片も
思い出せない自分に苦笑する。
(相手はその含み笑いを
どう勘違いしたか怒り出して
あるいは叱り付けるかもしれない。
その時は笑いながらでも良いから
一向謝ってみせて
それが格段親しい異性なら
「愛してるよ」とでも言っておこう。)
〈END〉

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