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□第一章
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「・・・トリップ、したい。」
いつもの呟きに数人の呆れた溜息が零れた。
現実を見なさい、と。
「・・・現実逃避は現実を見てるからするんだよ。」
私のいつものセリフに先程より大きな溜息が聞こえる。
・・・酷い。
神様もしも本当に居るのなら
私の声が聞こえているのなら
私をトリップさせてください。
だってもう疲れた。
上辺だけのトモダチ
上辺だけのツキアイ
誰も私の本質を見ようとしない。
そんな私がここに居てなんになる。
私はもっと笑顔で生きたい。
欲はたくさんあるけれど、叶わなくて
いいから・・・
ただ・・・
貴方達に
逢いたい
ただ、それだけでいい。