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□番外編
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「夢羽、起きなさい。」
いつもは、ほったらかしなのに
今日は、お母さんは私を起こしてくれた。
どうしてだろう。
お母さんは、私を気味悪がってるのに。
「お誕生日おめでとう。」
って、見たことのない笑顔でプレゼントをくれた。
「ありがとう。」
口から零れた言葉は、間抜けで
不審がってるのが手に取るように分かった。
すると、お母さんは少しだけ困った顔をして、
一人でいつも暇でしょう?と、
私に言った。
それから、ごめんなさいと付け加えて・・・
そんなこと、どうでもいい。
お母さんが、初めて私を認めてくれた。
汚いものを見るような目以外で見てくれた。
嬉しくて、涙がこぼれる。
震える手で包装紙を丁寧に開いていくと
42冊のコミックスが出て来た。
“テニスの王子様”
そのコミックスは、
そんなタイトルだった。