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□それはね、恋だよ
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この胸焼けがするくらい甘い感情はなんだろうか。
名字を見かける度に
この甘ったるい感情が邪魔をする。
名字に声を掛けたいと願えば
甘ったるい感情は話し掛けたくないと訴える。
2つの感情が混じりあうこと程
苦しいことはないのではないかと思う程それは苦しい。
「名字。」
俺の呼びかけに彼女はゆっくりと振り向いた。
・・・俺には到底真似できないような笑顔で。
瞬間、甘ったるい感情が溢れ出す。
愛しいと、甘ったるい感情が繰り返す。
あぁ、これは。
あまりにも単純な感情・・・
それはね、恋だよ
単純で、
甘ったるい感情は
名字にだけ
捧げよう