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□眠る前に迎えに来て
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私はそっと窓を覗く。
赤い夕日に照らされて、キラキラと輝くリョーマ。
早く、早く迎えに来て。
毎日そう願いながら教室で待つ。
彼は人気がありすぎる。
だから、少し不安なんだ。
本当は私だって、フェンスから眺めたい。
でもリョーマが許してくれない。
じわりと滲む視界を隠すように、机に突っ伏した。
そこから襲ってくるのは睡魔。
ここで眠ってしまうと悪夢を見ることを私は知っている。
だから、必死で睡魔と闘う。
リョーマ、リョーマ。
早く迎えに来て。
「名前、帰るよ。」
彼はその小さい背で私の顔を覗き込んだ。
うっすらと涙が滲む私の目。
それを見られたくなくて彼に抱きつく。
「ありがと、リョーマ。」
迎えに来てくれて
眠る前に迎えに来て
早く、早く迎えに来て。
悪夢に襲われる前に