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□世界にたった二人
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“全国大会優勝”
青春学園はその栄光を掲げて盛り上がっている。
肌を焼くような日差しも和らぎ
ほんの少し肌寒い。
そんな帰り道を国光と並んで歩く。
「国光、お疲れさまでした。」
にっこりと笑みを浮かべて彼を覗き込むと、彼はフッと笑う。
「お前は我慢強いな。」
寂しいなら寂しいと言えばいい、と国光は私の頭を撫でる。
「寂しい。寂しかった。」
ずっと心のうちに秘めていた思いをさらけだす。
「寂しかった。寂しかったよぉ・・・っ!」
国光、国光と泣きじゃくる私を彼はそっと抱き寄せてくれた。
「すまなかった。名前。」
ギュツと彼の腕に力がこもる。
二人の体温が混じりあって温かい。
この腕の中が心地いい。
「ずっと傍に居てね。国光。」
私はにっこりと微笑んだ。
世界にたった二人
世界にたった二人は寂しいから
だからずっと傍に居て