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□本気の恋は止めよう
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彼が動く度、さらさらと髪が流れる。
あぁ、美しい。
宍戸くんに対して、そう思うのは不思議だろうか。

こんなにも、宍戸くんに胸が高鳴るのは、
きっと彼のテニスに興奮しているから。
と、結論付ける。

だって、恋は苦しいから。
彼の隣で笑う彼女を殺してしまいたくなるから。
だから、この感情は恋ではないの。

そう、自分に言い聞かせる。

宍戸くんには、彼女が居る。
だから、
違う、この感情は恋じゃない。

だけどね、やっぱり涙は流れるもので
誰も居ない教室で毎日のように涙を流す。

宍戸くんは知っているだろうか、
私が貴方を見てることを。
貴方を想ってることを。

もう、随分と本気になっているね。
私。

誰も居ない教室で、
私はグッと奥歯を噛み締めた。

「宍戸くんが、大好き。」

きっと、本気で






本気の恋は止めよう

そっと瞳を伏せた

だって

叶わないことを知っているから










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