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□そろそろ気づいて
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「ねぇ、日吉ぃ〜。」

甘えた声を出すのは名前さん。

「跡部って甘いもの好き?」

そんなこと俺に聞くなよ、と思いながらも答えてしまうのは
惚れた弱みか。

何が悲しくて好きな人の恋愛相談なんかを受けなくちゃいけないんだ。
しかも、相手は跡部さん。

本当に、テニスでも名前さんでも
下剋上してやる。

「ねぇ、日吉聞いてる?」

「聞いてますよ。」

でも実際、俺を頼ってくれることに
優越感を感じるもの事実。

この人は本当に、俺を自惚れさせるのが得意だ。

「日吉ぃ。日吉は誰か好きな人居るの?」

「それは、」

貴方です。と言いかけてやめた。

言っても無駄だ。
名前さんを困らせて、笑顔が見れなくなるのは嫌だ。
避けたい。

いっそ、跡部さんに振られてしまえば俺に泣きついて、
それを俺が慰めて、
俺のモノにできるだろうか。

・・・っ!

一瞬でも、彼女の、好きな人の不幸を考えるなんて。
俺は最低だ。

それでも、













そろそろ気づいて

俺が貴方のこと

どれだけ愛してるか。

叶わなくてもいいから。

ただ、気づいて













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