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□後悔ばかりの恋だった
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貴方はクールで無愛想でSで。

特徴を挙げていけば、貶してるようにしか聞こえないのに
私はこの世界の全てが財前光であるように感じた。

ただ、それだけ好きだった。

気づけば想いも伝えられないまま私は転校して
もっと話していたかったとか
もっと声を聞きたかったとか
もっと、名字と呼んでほしかったとか

挙げだせばキリが無いほど後悔がある。

もっと笑顔が見たかった
もっと辛辣な言葉を聞きたかった
もっと彼のテニスを見たかった

もっと、彼と居たかった

全部全部、私の自分勝手な願望で
自分勝手な後悔。

わかってるけど、溢れる涙は止まらない。

「財前・・・っ」

もっとその名前を呼んで
もっとふざけあって
もっとからかいあって

もっと、もっと、彼と笑いあいたかった。

ただ、それだけで良かった。
付き合いたいなんて、思わなくて
彼との距離が好きだった。

「財前・・・っ」

私はその言葉しか知らないように繰り返す。

財前、財前

ただ、それだけを。

後悔ばかりの恋だったけど、
ただ一ついい事もあったよ。

私、貴方に会えて

幸せでした









後悔ばかりの恋だった

貴方に伝えたいこと

たくさんあるけど

でも一つだけ。

“ありがとう”
















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