title

□残念ながらべた惚れ
1ページ/1ページ


名前は俺を、飄々としてるから分からない。というけど
俺はこんなにもお前さんを愛しとるよ。

いつだって、口にだせないだけじゃ。

名前が、傍にいる。
それだけでなんもいらん、って
本当はこの世の何より好いとうよ、って
口に出せたら、いいのにな。

いつも、口から出るのは“プリっ”だけじゃ。

「ねぇ、雅治は私のこと好き?」

「そうじゃのぅ・・・当ててみんしゃい。」

ほら、たまにマジメに返せば
素直じゃない言葉。

だけど、残念。
悪いけど“好き”じゃない。

不安そうに俯く顔も
ギュッと力を込める手も
速度が落ちる足も

全部全部、

“愛しとる”。

悪いが、それも違う。
そんなんじゃ足りない。

言葉にできないほど、
大切にしとうよ、名前






残念ながらべた惚れ

残念じゃったな

“好き”じゃない。

これ以上ないほど

“愛しとる”












[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ