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□この恋、きみ色
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「名前先輩、手、繋ぎましょ?」

にっこり笑って手を差し出す。
赤也と私は、最近付き合い始めたばかりだ。

「・・・うん。」

赤くなった顔を隠すように俯いて
彼の大きな手に自らの手を重ねる。

トクンと胸が高鳴るのは
私だけだろうか。
赤也もだったら嬉しいな。

いつも私達が並んで帰るのは
赤也の部活が終わった夕暮れ時。
そう、辺りが燃えるように赤くなる時間。

それと比例するように
熱をもった私の顔も真っ赤。

そっと覗き込むように赤也の顔を見ると
彼も、真っ赤。

全部、赤。

私の恋の色。

それは、赤也の色だね。
と、そっと心の中で呟いてみた。

赤也の色に包まれる恋なら、
終わってほしくない。

また明日も
それから先も

ずっと赤也と一緒に居たい。

だから私は、繋いだ手に力を込めた









この恋、きみ色

赤に染まった世界に

私達二人だけ。

そんな時間が

いつまでも続きますように











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