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□きっと夢中にさせるから
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初めて会ったとき、君は言ったね。

“あんた達、馬鹿みたい”と。

それから、興味がわいた。
俺たちにそんなこと言った女子は初めてだったから。

噂で聞けば名字さんは、俺たちがちやほやされるのが気に入らないらしい。

・・・そんなこと、俺たちのせいではないのに。

少し、腹が立った。
だから、俺は会いに行ったんだ。

あの日。

夕焼けに、木が染められたように赤くなった
あの時間に。
君は、一人の女子に手を差し伸べていた。
女子は傷だらけで。
よく顔を見れば、ブン太たちと仲の良い女子。

そこで気づいた。
女子の中でいじめがあるのだと。
そして名字さんは、
それに気づかない俺たちを“馬鹿”と言ったのだと。

その日から、できるだけ女子と距離を置くようになった俺たちを
名字さんは、馬鹿だと言った。

そんなことをしても意味がないから。
と。

だけどね、君に近づくのはやめない。
だって、俺は君が大切だから。
俺が名字さんを守るから。

だから、覚悟していて
きっと君は俺に夢中になるよ。

だって、俺たちに大切なことを教えてくれた君に
俺はもう、夢中だから・・・








きっと夢中にさせるから

覚悟していて

もう俺は

君を手放せそうにない










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