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□バカ、意識しすぎ
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好きって、本人以外から言われると少し困る。
それが、俺も好きなヤツだったらなおさら。
たまたま、クラスの男子がその話題を持ってきた。
「なぁなぁ!名字ってお前のこと好きらしいぜ!」
だから?と返すと、うっと詰まった声を出す。
でも、まぁ。
これで両思いなワケだから、告白でもしてみようかなんて
単純すぎるだろうか。
告白を意識しだすと、名字を見るのも照れるなんて。
「切原くん。」
俺を呼ぶ名字の顔を一瞬見て、それから目を逸らす。
あぁ、やべぇ。
顔が熱い。
「俺、さ、」
「ん?」
子首を傾げるその姿が
余りにも愛おしい。
今更、好きなんて言えなくて、
俺はその言葉を飲み込んだ。
バカ、意識しすぎ
だって、
嬉しすぎるから