U

□きみの好きなやり方でキスして
1ページ/1ページ


「名前。」

そう呼べば、ボクの考えに気づいたのか名前そっと瞳を閉じた。

彼女とのキスはただとろけるようなキスで
甘いとか、全然わからない。

それでも無性に名前とキスしたくなるときがある。

名前には・・・ないのだろうか。

あったら、いいのに。

「ねぇ、たまには名前からしてよ。」

にっこり笑って言ってみた。

「い、いやだよ!」

ボクの腕のなかで瞳を閉じていた彼女が目を見開く。

その瞬間、閉じられていた瞼はあがり
彼女の綺麗な瞳が露になる。

あ・・・。

なんとなく、ショック。

拒否されるのが、こんなにも怖いことだなんて。

そっと名前に冗談だよ、と笑い返した。

「・・・っ!」

すると彼女はボクを見つめて、

キスをした。

初めてキスを甘いと、思った。

そう思うと、もう、我慢できなくて、
名前に荒々しくキスをする。

あぁ、なんて











きみの好きなやり方でキスして

どんなに唇を重ねても

甘い、何て思えない。

だから、ねぇ

もう一度。

きみの好きなやり方でキスして

名前













[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ