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□百万回の間接キス
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手塚はいつもドリンクを最後まで飲まない。
いつだってほんの少し残っていて、もったいないから私が飲む羽目になる。

別にソレが嫌なわけではなくて、むしろ嬉しい・・・とか思ってみたり。

だけど、あの手塚が毎回ドリンクを少量だけ残す理由が分からなくて首をかしげる。
もしかして・・・おいしくないのだろうか。

「手塚も面白いことするよね。」

クスッという笑い声に振り返ると楽しそうに笑う不二の姿。
その不二の言葉の意味になおさら首をかしげる。

面白いことって何?

「ソレ、間接キスだよね名字さん?」

不二はその場に言葉を残して立ち去った。

間接、キス・・・?

自分でもその言葉に顔が赤くなるのが分かった。
何で今の今まで気づかなかったのかが不思議なくらい単純で。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!」

声にならない叫び声をあげて無意味に手で唇を覆う。

いったい何度私は手塚と間接キスしたんだろう・・・?
数えてみたら数え切れなくて。
それでもやっぱり手塚がドリンクを残すものだから、これからも間接キスをするんだろうな・・・とかね。








百万回の間接キス


百万回間接キスを繰り返すより

たった一度

私の唇にキスを落としてくれたらいいのに














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