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□雨が降る屋上で
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外を見れば、無情にも、雨。
今日は先輩と屋上で食べる約束、だったのに。
先輩が勝手に押し付けて行った約束なのに、
残念、なんて。
「・・・俺にも焼きが回ったもんだな。」
「ん?・・・何か言った?日吉。」
キラキラと純粋な瞳で振り返る鳳に何でもねーよ、と返して視線を窓へ。
きっと名前先輩も来てないだろうと思いながらも、
鐘が鳴った瞬間に完全に意識は屋上。
なんで。
なんでこんなにも、俺は焦ってるんだ?
約束なんて破ってしまえばいいのに。
「名前先輩・・・?」
ダメ元で開けた屋上への扉。
「あ、日吉!」
にっこりと浮かべる笑顔に雨だなんて忘れてしまう。
トクリと静かに、それでも確かに俺の心臓が主張した。
まるで、太陽みたいだったから、
あぁ、俺は
「貴方が、好き、です。」
雨が降る屋上で
告白なんてのも
いいかもしれない