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□屋上へ続く階段
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カンっと音を立てて駆け上がる階段。
その先にあるのは、開くはずもない屋上の扉。

そんなこと、百も承知。

それでも足を止めないのは、

「こんにちは、名字さん。」

そう笑う彼に会いたいから。


「こんにちは、鳳くん。」

君に追い付くために走って来たんだ、とは言わないでそっと彼の隣に並んだ。
それから、さっきとは打って変わってゆっくりと歩く。

それでもさっきより動悸が激しいことに鳳くんが気づいていればいいと本気で思う。
そしたら、きっと貴方が好きだと言えるんだ。

カンっと音を立てて階段を蹴った。
あと一段で屋上の扉へと着いてしまう。
開かない扉は、きっと酷く冷たいのだろう。

その扉が開いたら、想いを伝えてみようと隣で笑う彼に誓った。




屋上へ続く階段

階段を一段ずつ登る度、

君に伝えたい想いが募る。

カンっと蹴った階段は

残り一段。









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