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□どうしよう好きみたい
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「光!」
名前さんだけが許された呼び方のように、それは俺の中でカチリと音をたててはまった。
ほんま、なんでやろ。
謙也さんに言われるのはともかくとして、
女子に呼ばれるほど鬱陶しいもんは無いのに。
名前さんだけは心地良いなんて。
そっと、見かけだけのヘッドフォンをはずして彼女の話に耳を傾ける。
見た目だけは聞いてないフリをして。
ほんまは、素直に聞きたいっちゅう思いもあるけど、なんでやろ。
そんなん絶対でけへんわ。
「光、聞いてる?」
きっと、それは。
もっと名前を呼んで欲しいから。
「聞いてるッすわ。」
なぁ、もっと。
もっと名前呼んでくれへん?
あぁ・・・この感情は
どうしよう好きみたい
気持ちに気づいたら余計に
彼女が愛しくなるなんて