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□今なら素直に好きといえる
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ちらりと視線を横に移すと、静かに寝息を立てる名前さん。

さっきまで構ってほしいと言わんばかりに騒いでいたのに。
急に静かになった部室の中に彼女の寝息だけが聞こえる。

そっと彼女の腕の中を覗き込むと書きかけの日誌が見えた。

アレだけ騒いでいたのに、意外にも細かく俺たちの今日こなした練習メニューや癖、欠席者にけが人が記録されている。

・・・ほんま、アレだけ騒いどってよくこんなに記入できたもんやな。

少し呆れてはぁとため息をこぼす。

「・・・ざい、ぜ・・・。」

「・・・なんや、寝言か。」

急に名前を呼ばれたものだから、起きたのかと思ったけど。
彼女は無防備に寝息を立てる。

ほんまに女っちゅう自覚あるんやろか。

仮にも男と二人きりっやっちゅうのに。

さっきとは別のため息が零れて、自分の馬鹿みたいな思考を追い出した。
この人が俺を恋愛対象として見ていないのは明白で。
これ以上はむなしくなるだけと分かっていても、日に日にこの感情は大きくなるだけで。

「・・・・好き。」

思わず聞こえた言葉にらしくもなく息を呑んだ。
寝言やし、俺のことじゃないかもしれんけど。






今なら素直に好きといえる


「・・・好きっすわ。」

彼女の寝顔が少し笑った気がした











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