V
□Three
1ページ/3ページ
その日の帰り、友達からディーとダムが、仁王さんと柳生さんということを聞いた。
“アリス、そんなことも知らないの?”と少し、馬鹿にされた気もするが、ここはにこりと笑って流す。
すると、友達は機嫌よさそうに続けたのだ。
「明日、朝練見に行こっか!」
パチンと手を叩いて、いかにも名案とでも言うように。
あぁ、どうしよう。
またワクワクとしてきた。
「私も行く!!!」
そう叫んでから、ニコニコと笑って友達と別れる。
まさに、気分はルンルンだ。
鼻歌を歌いながら、家路につくとケーキ屋さんに目が向かう。
・・・たまにはいいかな。
親がいない私にとって、無駄遣いは禁忌である。
だけど、たまには。と、その可愛らしい取手に手を掛けた。