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□恋する乙女は羊がお好き
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ふわふわした金髪をした慈郎くん。
動物に例えると?
と聞かれると、真っ先に羊と答える自信がある。
まぁ、その羊くんは私の膝の上ですやすやと眠ってるのだけど。
「・・・なまえちゃん。」
不意に、慈郎くんの口から私の名前が零れた。
「慈郎くん・・・?」
目が覚めたのだろうか。
そっと顔を近づけると、すやすやと寝息が聞こえた。
・・・なんだ寝言か。
上体を起こそうとした瞬間、
唇に柔らかいものが触れた。
「おはよ〜なまえちゃん。」
にっこりと微笑む慈郎くん。
私は口をパクパク開閉していた。
きっとこれ以上ないくらいに顔が赤いに違いない。
本当に、羊くんには敵わない。
それでもやっぱり、
私は慈郎くんが好きだ。
「慈郎くん。」
私はそっと、羊くんの頬に唇を寄せた。
“大好き”と付け足して―――
恋する乙女は羊がお好き
だって、
あなたが
あまりにも羊に似てるから