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□完璧なんていらない
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「蔵ぁ〜」
私の声に振り向くのは、中2的な彼氏。
本当に、誰が彼を完璧なんて言ったの。
私からすればただの中2病患者だ。
・・・彼を好きになった私も中2病患者かも知れない。
「今日も完璧な出来やで!なまえ!」
ほい、と私の手に乗せてくれるのは、可愛らしいお弁当。
蔵のお弁当は本当においしい。
本当は完璧でなくてもいいのだけれど、
本人が完璧を求めるなら仕方がない。
全てを含め、私は彼を好きになったのだから。
「ありがと!」
なんだか、いつも以上に愛しさが溢れてきた。
完璧を求める彼が、昔は遠い存在だったけど
今は、こんなに近くに居る。
なんだか、奇跡のような話だ。
「蔵、明日は私がお弁当作ってくるよ。」
完璧な愛情を込めて。
完璧なんていらない
必要なのは
きっと。
溢れるような愛情だけ。