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□だって、のぅ。
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「にお。」
頭上からいつもの、素っ気ない声が降ってくる。
あぁ、まただ。
いつだってなまえが名前を呼んでくれることはない。
「・・・雅治じゃき。」
そう呼びんしゃい、と足すと、いつもの“だって、ねぇ。”が返ってくる。
名前を呼んでほしか、ただ、それだけなのに。
好き、なんて求めんから。
なまえとのこの距離を縮めたいなんて思わんから。
いい加減
「雅治と呼びんしゃい。」
だって、それは。
だって、のぅ。
なまえにだけ許した
“特別”
だから