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□隠す愛、晒すI
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長太郎がなまえを好きなことくらい分かっていたつもりだった。

俺に会うフリをしてまで会いに来ていたくらい分かっていた。

なのに、なのに。

俺は・・・。

どちらも大切、傷つけたくないと偽善を語り

逃げて逃げて、仕舞には。

「長太郎。」

大切な後輩にすら自らの気持ちを晒せない。

なまえが好きだと、言えばいいのに、
俺より幾分か背の高い長太郎を覗きこんでは息を呑む。

だって、コイツは俺には眩しすぎるから。

「俺は、なまえが・・・」

「好き、なんですよね。」

俺の勇気を搾りに搾った言葉は長太郎に引き継がれた。

その時に俺は見てしまったから。

その綺麗すぎる瞳から流れる一雫の涙を。

だから決めた。

「いや、俺にとってなまえは仲のいいクラスメイトだぜ。だから・・・」

最後くらいは格好つけても許されるよな・・・?

なまえへの愛はそっと隠して
今までの自分を晒けだす。

それで、いい。

「頑張れよ!長太郎!」

ニカッといつも通りの笑みを浮かべて

俺と長太郎の頬を流れる涙には

そっと気付かないフリをした






隠す愛、晒すI

なまえへの愛をそっと隠して

今までの自分をそっと晒した。

でも、今は

今だけは。

どうかなまえを想って

涙を流せますように




*ゆうな様、二回目のリクエストありがとうごさいます!
遅くなって申し訳ありません。
さて、宍戸と長太郎とのリクエストだったんですが・・・いかがでしょうか・・・?
初めて複数で書いたので、至らない点ばかりではありますが気に入っていただけたら幸いです。











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