【短編】

□ココロの墓
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好きだたまらなく好きなんだ!でも…そんなことは言えない…だって俺は!

気分は最低だった


ココロの墓


君の一挙手一投足に翻弄されている。冷静な自分はそう認識できているにもかかわらずなぜそれを回避することができないというんだろう。…腹立たしい…虫酸が走る…………自分自身が気持ち悪いものに思えてたまらない。そして、こんなことを考える自分はすでに相当………………病んでいる。

大きく息を吸い込む別段うまくも何とも無い嗅ぎ慣れた体臭の混じる空気は自分の許容量ぎりぎりまでそこを満たしてくれる。でも所詮は空洞だ。ぽっかりと空いた場所に空気という目には見えない粒子を詰め込んだにすぎず…そんなものは無いのと同じで……それなのにどうしてこの実質を保ったような質量のある虚無感を満たすことができるんだろうか。当然ながらそんなことはできるはず無かった。


欲しい…


知っている。知っているんだ。本当はそんなまがい物の実体を掴むような非効率的な事象をすることなくそれを簡単に満たす方法を…でも…


欲しい…


ダメだ。ダメなんだ。一度でもそこに手を出してしまったら取り返しが付かないことになるって…聡い脳みそがすべてを計算してしまうから…だけど


欲しい…


あぁ。わかってるよ。認めたくないけど仕方ないから俺だけは認めてやるよ。俺しか認められる訳ないだろ?俺の劣情の捌け口なんて…


欲しい…


だってこれしか方法なんて無いだろ?………違う。知っている…知っているからこんなことになるんだ…こんなことなら知らなきゃ良かったのに

だから


欲しい…


君が欲しい



せめてココロの中で叫ばせてくれ。君への巡り着いてはいけないこの劣情を


好きだから欲しいんだ……お前が好きだ…愛してる…愛してる愛してる愛してる……お前さえ良いなら俺にしろ。なぁお願いだ何でも良いから俺だけのモノになれ!好きなんだ!好きなんだ……好きなんだ…好きだから



君を傷つけられないから



ココロのなかに墓を建てるよ。君への想いを埋めた墓を………骨も何もかも堆肥になって風化するまで開けてやらないから


お願いだ


これ以上俺のココロを暴いてくれるな



大好きな………




END

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