VOCALOID
□束縛転じて[短編]
4ページ/9ページ
動かせない。
鎖に繋がれた四肢。
切り傷の残る身体。
光の差さない室内。
全てが現実だった。
口内に広がる鉄の味は、切れてしまった血管のせい。
声が出せないのは、捩じ込まれた轡(くつわ)のせい。
身体中が痛いのは、刻み込まれた「印(しるし)」のせい。
数日前までとは、全てが違う現実。
足音が聞こえ、ドアの開く音がした。
夕日色の髪をした少女がピコの目の前に立つ。
「おはよう、ピコくん。昨日は良く眠れた?」
→
次へ
←
前へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ