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□原罪
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エヴィリオス001年、エルドの森。
その森に若い木こりの夫婦が幸せに暮らしていた。
いや、正しく言うなれば前は"幸せだった"。
彼らの子供たちは昨年の暮れに死んでしまった。
理由は簡単である。
木こりの妻であるイヴ・ムーンリット。
彼女は夫との愛にすがり、望みが叶うと思い上がっていた。
彼女はするべき事を怠った。
だから子供は死んだ。
それだけだった。
木こりは妻を咎めなかった。
けれど死んだ子供たちを想い、新たな子を迎え入れる気もなかった。
イヴにはそれが不満だった。
彼女は幸せな人間を妬んだ。
妬みは、いつしか怒りへと変わっていった。
そして彼女は、飢えていた。