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□大罪の果てに。〜強欲〜
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エヴィリオス歴983年。
広くはない部屋に2つの影があった。
片方は、USE暗星庁の判官長、ガレリアン・マーロン。
そしてもう片方は傷害事件で起訴された名のある貴族。

「で、貴方が訪ねて来た理由は何でしょう?私は見ての通り忙しいのですが」

ガレリアンが冷たく言い放つ。

「まぁ、そう怒らないでください。…最近商売が繁盛しておりましてね。これは少ないですが、迷惑を掛けるお詫びです」

貴族が何も書かれていない分厚い封筒を差し出す。
ガレリアンは封筒を受けとると中身を確認し、薄く微笑んだ。

「貴方のように賢い人が罰せられるのは、この国にも不利益ですね。私が取り計らってあげましょう」

「本当ですか、有難い」

貴族の表情が弛む。

「但し」

ガレリアンは冷酷な笑みを浮かべていた。

「これは手付金です。裁判が終わったら、同額納めに来なさい。」

「そ、そんな…」

「払えない額ではないでしょう?罪を背負うよりは良いと思いますが。」

「…わかりました、必ず」

「本当に、物分かりのいい方だ」

ガレリアンはうっすらと嘲笑を浮かべた。



後日、その貴族は証拠が不充分であるとして罪を免れた。
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