VOCALOID
□暑いのが悪い。[短編]
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暑い8月の昼間。
節電と言う名目で、我が家では日中のクーラーの使用が禁止されていた。
簾が掛かっているから少しはマシだったが、暑いものは暑い。
「はぁ…」
思わずため息を吐く。
「どうしたの、レン?」
カイ兄が訊いてきた。
カイ兄は椅子に座っていて、ボクはソファーに座っていたから、2人の間には距離があった。
「なんでもないよ」
答えて、カイ兄を見る。
アイスを美味しそうに舐めていた。
その舌の動きを凝視する。
色っぽいなぁ…。