VOCALOID
□ただ、愛しくて。[短編]
3ページ/11ページ
「おはようルカ。随分と早起きだね」
「レンくん…。昨日、何処にいたの…?」
携帯の向こうから聞こえてくるくぐもった声。
その声は震えていた。
「昨日?家にい「嘘!!」
言い終わる前に否定された。
「昨日、街にいたわよね。可愛い女の子と一緒に。…私見たの。」
…どうやら見られていたらしい。
「あぁミクは友達だよ。彼氏にドタキャンされたらしくて、暇潰しに出歩こうって。」
「友達…?レンくんは友達とホテルに入るの…?」
そこまで見られていたのか。
「妬いてくれたの?嬉しいな。安心して、何もしてないよ」
「嘘よ…」
ルカの声は涙ぐんでいた。
「嘘じゃない。」
強めに言う。
「僕にはキミだけだよ。…愛してる、ルカ。」
「…そう、起こしてごめんなさい。おやすみ、レンくん」
「おやすみ、ルカ。」