闇の末裔
□契約
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「都筑さん、アンタ何年死神やってるんです!?出張旅費の請求書書くのに、何日かかってると思うんですか?!」
「きゃ〜、ごめん巽。このお饅頭食べたら、すぐやるから。」
毎度お馴染みの、巽の怒号が響く。
召喚課ではありふれた事なので、誰も気にする者は居ない。
「こんなに貯めて!口より先に、とっとと手を動かしなさい!この、あんぽんたん!」
「うゎーーん!」
「ったく…。」
お饅頭を口にくわえたまま、机に向かう都筑を見て、巽は溜め息を吐きながら、課長室の中に姿を消した。
扉が閉まる寸前、巽の横顔を見て、自分の思惑通りなのを確信すると、都筑は誰にも気付かぬ様に、口元を綻ばせた。