闇の末裔

□家具
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邑輝と『契約』を結んで間もない頃の事。
初めて邑輝のマンションに呼び出された時だった。
マンションに入る姿を人に見られるのは困るだろうと、影で直接部屋に入るように指示された。

部屋に入ると直ぐに身体の力が抜け、立っていることもままならず床に倒れ込んだ。影を使おうとして叶わず、邑輝の術中に堕ちた事を覚る。

「なんですかいきなり、こんなことをする必要などないでしょう!?」

そう…。淫らで浅ましい自分には、もうこの残酷で美しい支配者にすがるしか無いのだ。

 
邑輝は崩れた堕ちた巽の前に立ちはだかると、白金の冷たい視線を向け微笑んだ。

「貴方には『家具』になってもらいます。」


「ふっ…、あ…ぁ、ん」

いつ終わるともなく、口腔の邑輝自身は怒張したまま、巽の愛撫を受け入れている。

『早く、終わって欲しい』

巽の気持ちを知ってか、邑輝自身は果てる気配すらなく…。
長時間の口淫に顎は疲れ、唇は痺れ涎でベトベトになっていた。

どうにかして欲しくて、涙目で邑輝に訴えるが、感情を感じない白金が見下ろすだけだった。
巽とて、自分と同じ雄の好いトコロ、好い刺激がわからない
筈はない。しかしあまりに長い奉仕に、舌の動きも散漫になってしまう。
指でしごいて、揉んでイカせたいと思っても、台車の様なモノに両手足縛られままならない。

思わず、口から邑輝自身を外してしまいそうになった時だった。今まで何の行動も起こさなかった邑輝が、巽の髪を掴み無理矢理喉の奥を突いてきた。

「ぐ…、げぇっ」

吐き気をもよおし、噛んでしまいそうなのを必死で耐えた。

「出さないで下さいよ。コレは雄としての若さと剛さを保つ為に、絶えず美しい奴隷の体液に濡れていなければならないのですから…。」

そう言って、意識は途中になっていた卓上のパソコンへと向かう。もう其処には巽など居ないかのように…。

頭の上で鳴る無機質な音に連動するように、湿った淫音が続いた。






 

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