闇の末裔

□悪戯
3ページ/4ページ

残った精液を、絞り出すように扱かれて、巽は腰をくねらせる。
まるで、自分から刺激を欲しているかの様なその動きに、邑輝はその色素の薄い眸を細めると、くちびるを舌で湿らせ、己の腕の中に、堕ちてきた獲物に、‘命令’したーー。

 
「さあ、欲しいモノは自ら手に取りなさい。」

欲望の熱に犯された、虚ろな眸を邑輝に向ける。

「どうしました?動かなければ、このままですよ。」

巽は意を決した様に、邑輝自身に手を伸ばした。
ノロノロと、だか迷い無く、邑輝自身を口に含む。口腔の奥まで含み、裏筋に舌を這わす。
唇で竿を扱きながら、舌で先端の割れ目を刺激する。

「いいですよ、上手くなりましたね。」

邑輝も、心なしか声が上ずってきた。

 
自分の施す愛撫を受けて、形を変えていく熱に、巽は愛しさを感じていた。

‘もっと、もっと、私を感じてーー!’

昂る気持ちを、押さえ切れず、熱を取り戻した自身を扱く。

「フフ…、本当に、淫らな人だ。」

邑輝の声が、どこか遠くに聴こえる。
もう、言葉の意味さえ解らないーー。


口腔で施す愛撫に酔いしれ、自らも快楽を貪るーー。
たまらず、巽は双丘を拡げ、既に収縮を繰り返している秘所に邑輝自身を押し当てると、自ら己の内に招き入れた。

 
「はぁ…!あっ…、ああぁ…」

ずっと欲しかった確かなモノを得て、巽の閉じた双瞼から、涙が溢れる。

絶頂を極めるべく、自ら腰を振り、快楽を貪る。

今の巽には、召喚課課長秘書の姿は見る影も無いーー。

「ああ…、いいですよ、貴方の中…。とても熱い…蕩けそうですよ。」

邑輝の息が上がる。
巽の腰を押さえ付け、深く突き上げてやると、一際高い声が上がった。

「あっ!ああ…、あんっ、ああ…っ!」

邑輝の刻むリズムに、巽の軋む躰のメロディーが、後を追いかけていく。

二人の奏でる協奏曲は、共鳴し、クライマックスを目指して駆け上がっていったーー。


 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ