闇の末裔

□契約
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「ねぇ、毎度毎度よく同じ事で怒るよね。もう、俺の仕事が遅いっての、判ってる事じゃない?」

サイドライトが、暗い部屋の中に、二つの絡み合う影を浮かび上がらせていた。

「…っ!」

声を掛けられた方は、答える事も出来ぬ程に切迫していた。

両手両足を、ベッドの支柱から延びた荒縄に縛られ、口には猿轡を嵌められていた。
自由のきかない状況で、既に巽自身は天を仰ぎ、蜜を溢れさせて、ヌラヌラと光っている。

もう長い時間、躰をなぶられ、達する寸前のところで、手を止められてーー。
灼熱の焔に身を焦がして、精神的にも追い詰められていた。
 
「巽ってさ、欲しくなると怒りっぽくなるから、直ぐ分かるんだよね。」

都筑の視線が、クスクス笑いが、巽を追い詰める。

「んん…。」

刺激を求めて、すがる様な蒼い眸を、都筑に向ける。

「いいよ、その眸。ゾクゾクする。」

そう言うと、縛られたままの脚を開かせ、いきなり最奥に楔を打ち込んだ。

!!

声にならない悲鳴が上がる。
巽の苦痛に歪んだ顔を見て、冷ややかに笑う。

「すぐに良くなるでしょ?慣れた躰してるんだから。」

都筑の言葉通り、痛みで強張っていた躰も、都筑の動きに合わせて、徐々に快楽を拾い上げていく。
 
「あ、…っ!」

腰の動きが早くなり、都筑が巽の再奥を突き達すると、巽の熱も弾け、二人はベッドに沈み込んだーー。

 
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