song
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「別れよう」
『・・・・・・・・』
ここに1組のカップルが別れを告げようとしていた
別に、不思議な事ではない。出会いがあれば別れがあるのは当然。
「家まで送るよ」
『良い・・・自分で帰れるから』
彼女のお気に入りのキーホルダーがついた車の鍵を奪い彼がいつも置いてる定位置に戻した
「最後ぐらい、お前の彼氏らしい事させろよ」
『もう、彼氏じゃない』
「これで最後だからなっ?」
渋々了解した彼女を乗せ、車はエンジンをうならせて発進した
「最後ぐらい隣に乗ればいいのに」
『良いの・・・私の指定席は貴方の後ろだから』
どんなに望んでも手に入らなかった。やっと手にいれてまた手放そうとしてる
お互いが望む【別れ】の二文字
忙しくて2人の溝は深まった
「最近、俺が気に入ってるバンド」
彼はCDの電源ボタンをポチッと押した。
流れた曲に耳を傾けた。彼は上機嫌で歌っている
だけど、途中で歌をやめて問いかけた