Kanon

□キス二秒前のお約束
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「祐一っ」
「ん?」
「ね、ね、どうかな?似合う〜?」

 くるんとその人物は俺の前で一回転した。

「…どうしたの?」
「…誰だ?」

 顔面にストレートパンチが入った。









「あのな…いきなり人を殴るもんじゃないぞ…」
「祐一が変なこと言うからでしょ」


 …最初は、本当に誰か分からなかったのは内緒だ


 目の前では、髪を後ろに一本に束ねている真琴がいる。

 まぁ、ポニーテールという奴だ。

 似合わないといったら嘘になるので似合うといっておこう。

 口に出して言わないあたりわれながら素直じゃないと思う。

 その他に、舞は髪を下ろして、ストレートにしてるし

 佐祐理さんもポニーテール。

 名雪の奴はツインテールだ…。

「一体なんでこんなことになったんだ?」
「あぁ、それは…」



 名雪は、簡単に事のあらましを説明してくれた。

 真琴が最初に名雪の昔の髪形について尋ねたらしい。

 三つ編みだと答えると、その髪型にしてとせがまれやってやったらしい。

 続いて、舞や佐祐理さんも髪形を変え始め、現在に至る。


「うぐぅ…」

 あゆが、羨ましそうに皆を見ていた。

 コイツは床屋にいって切っちゃったもんな。

 あゆの今の髪型はショートヘアー。

 変えようがないのだ。

「そんな顔すんなって、髪ぐらいすぐ伸びるだろ」
「うぐぅ…でも、皆楽しそうだから…」

 確かに、楽しくなさそうには見えないな…

 うーむ、しかしこの光景はなかなか見られるものではないな…

 どうせだから、写真にでも…

「祐一君…」

「ど、どうしたんだ?あゆ」

 気がつくとあゆが怪訝そうにこっちを見ていた。

「声に出してたよ……」

 ぐふっ…俺としたことが…

「ま、まあ、あゆだってそのうち元の長さに戻るさっ」
「フォローになってないよ…」

 フォローしたつもりの相手に言われちゃあどうしようもない。

 ていうか、確かにフォローになってなかった。



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