Kanon

□起こし,起して.起されて
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「名雪!おい名雪っ」

 ゆさゆさと名雪の体を揺する。

「うにゅ〜…」
「うにゅーじゃない。起きろ!」

 ぺしぺしと頬を叩く。

「うみゅ〜…」
「うみゅーでもない!」
「うぐ〜…」
「そりゃあゆの口癖だ、って、んなことはどうでもいい!」

 名雪の肩をつかんで思いっきり上下に揺らす。

「起きろってのー!」

 ひとしきり揺すって手を離した。

「…くー……」

 まだ寝てるし…。

 大きな溜息が出た。

 コイツ、昨日夜更かしでもしたのか?

 …仕方がない。

 あの手を使うか…。

「名雪、7×9は?」
「うにゅ…ろくじゅう、さん…」
「誕生日はいつだ?」
「…十二月。二十三日……」
「スリーサイズは?」
「上から、八じゅ…わっ!」

 跳ね起きた。

「ゆ、祐一っなんてこと聞くんだよっ!」
「よう、やっと起きたか。じゃあさっさと降りて来い」
「なんだか流されてるよ…」
「早くしろよっ」
「う〜…っ」

 うなってる名雪を置いて、部屋を出た。




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