Raspberry Life

□ACT:6
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俺と彼女、菜月が出会ったのは高2の秋だった。
彼女は時期外れに転校してきたんだ。



「席につけ〜!
 今日は昨日のHRでも言ったように、転校生を紹介する。
 男子諸君、喜べ!
 女子諸君、仲良くするんだぞ。
 よし、吉野くん入りたまえ。」


朝のHR、先生の言葉にみんな一斉にドアに注目した。
ドアが開くと、教室全体がどよめいた。
ドアから入ってきた彼女があまりにも綺麗だったからだ。
男子はもちろん喜んだし、女子だって感嘆の声を出すものがいたくらいだった。
俺達と違い、彼女の制服は新しく、それが彼女を余計神聖なものみたいに感じさせた。
彼女はそんな中恥ずかしそうに教壇に上がって自己紹介をした。


「はじめまして…吉野菜月です。」


ペコリと頭を下げる彼女。
そして、顔を上げるとにっこりと笑った。
そんな彼女の仕草に何人の男が心を打ち抜かれただろう。
クラスの半数の男子は間違い無くその瞬間彼女に恋に落ちたはずだ。
かく言う俺も、彼女を一目見たときから心を奪われていた。
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