夢小説:短編2

□そんな貴方だから惚れたんですよ
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「暇ですねー」

光秀様はそう呟いた

「戦を待つのは退屈です」

「だからと言ってまた戦を仕掛けに行くのはやめてくださいね。光秀様」

私は洗濯物を干しながら呆れたように言った

「戦がなければ面白くありません。血が舞い、叫ぶ人間が見たい…!」

「…………」

悪趣味めと心の中で言う。口にすれば何が起こるか分からない(腐っても主だ、から)

光秀様は自分の体を抱き締め、「ぁあ…!」と身をよじっている

はたから見れば凄く気持ち悪い(御免なさい)


「『気持ち悪い』、と思ったでしょう………」

「……………違います」

何故か勘のいい光秀様に冷ややかな目で見られたが私は思いきり視線をあさっての方向へ向ける

しまった。これじゃあまるで「思いました」と言っているような物じゃないか

「いけませんねぇ嘘は」

「ひィっ?!」

いきなりぬめりと耳の裏側に変な感触を感じた

ひんやりというよりも気持ち悪く感じる温度に、私の背中に鳥肌が立つ

すぐに思いきり振り向いた

「なななななな…何してるんですか?!」

「何って……舐めたんですよ」

「舐めっ?!」

平然として言う光秀様に驚き、私は声が出ない

「おお。顔が真っ赤だ」

「誰のせいですかっ!」

「さぁ?」

「っ……!!」

ふんっと顔を隠すように顔を逸らした


「ククク……」



そんな貴方だから惚れたんですよ


「ん?何か言いましたか?」

「いえいえ」












お題提供:119.





(お題、正しくは 『そんなアンタだから惚れたんですよ』)


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