Dream

□Peekaboo. Oh,Why do not you appear before me?
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ある雨の日、君が死んだ。交通事故らしい。
車に轢かれそうになった男の子を庇って亡くなったんだって誰かがいってた。


「(ああ、君らしいな)」


こんがらがった頭は考えることを止め、行き着いた先はそこだった。

涙は出なかった。
だって今だに信じられなかったから。

これは悪い夢で、明日朝起きたら全部元通りになっていて、学校にいったらおはよーさん。自分くんのおそない?とか言ってきたりたわいもない話をしながら一日が終わって。

君は懲りずにまた竜二をいじって遊ぶんだろうなぁ。私も、先輩はもっと大事にしなきゃ駄目だよ?あ、でも竜二はいっか。なんて冗談を言って皆で追いかけっこ。
そんなくだらない事が私の宝物で。

背が低い君はいつも私に対して、すぐに背ぇなんか抜いたるわ。って言うよね。君は自分より背が低い子が好きだっていうから私、楽しみにしてるんだよ?

普段の君は笑ってても何処か寂しそうで、笑ってるけど笑ってなくて。だからふとした時、本当に楽しそうに笑ってくれた時はなんだかすっごい嬉しかったんだよ。


ねぇ、起きてよ。すぐに背なんて抜いてくれるんでしょう?

ねぇ、笑ってよ。仮面なんかじゃない君のありのままの笑顔で。

ねぇ、私 ふとした時に見せるあの笑顔も、滅多に見せない怒った顔も、口を尖らせながらいじける顔も、バスケしている時の真剣な顔も。君の全部が大好きなんだよ?

ねぇ、神様。もうワガママ言わないから、お願いします。まだ一つも伝えられてないんだよ。一生君の気持ちが私に向かなくても構わないから。


だから――



「ねぇ、つれていかないでよ…」






Peekaboo. Oh,why do not you appear before me?

(いないいないばぁ。)(あぁ、何故貴方は私の前に)(姿を現してはくれないのですか…?)




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