Dream

□ひび割れた世界
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ざあざあと雨が降る。こんな日に限って思い出すのは要の笑顔。固く契り結びあったキミとの永遠も、今では夢のように遠くて。


『――別れよう』


要と別れてもう3度目の夏が来た。忘れようと思っても目を閉じればキミが居て。私の時間はあの日から進むことも忘れ止まってしまった。

下らない事で笑いあい些細な事で喧嘩して、それでも直ぐに仲直りして。甘く幸せだった日々。要を信じきれなくて、それを壊し逃げ出したのは私だ。


『――何、で?』

『もう疲れたの』



日に日に募る想い、溢れだしたキミを閉じ込めておけるほど私は大きくなくて自分から放り出した。空っぽになった心が乾いていく。

キミのいないひび割れた世界で一人、壊れていく。




ひび割れた世界


(鉛色の空へ伸ばした指先)(届くはずもないのに)(あともう少しって呟いた)




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