キリリク

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『ブルーベル・ルピナス』


いつものように仕事の報告をすませ部屋に戻ると、シャルティエと…なぜかアトワイトが部屋でなにやら話をしていた。

「あ、少将!!お帰りなさい」
「お疲れ様、イクティノス。じゃあ私は診療所に戻るわね」
「はい、ありがとうございます」

知らないうちに随分仲がよくなったシャルティエとアトワイト。
最近はよくこうして話をしていたり、お茶をしていることが多くなった。
シャルティエも気分転換ができているようなので、いい事だとは思う。

入り口で立ちつくしていた私のすぐ横を通って、アトワイトはすれ違いざまににっこりとほほえんで部屋を出て行った。
彼女がこんな風に笑うときは、大抵何か企んでいる時だ。
企んでいるとは言ってもハロルドの実験とは違い、それは好意によるものだろう。
彼女には色々と助けられる場面はあったが、頭を抱えるほど困らされたことはない。
部屋の扉が閉まると、部屋に残ったシャルティエが私に飛びついてきた。
突然のことで驚いたが、書類を持っている反対の手で彼の体をしっかりと抱きとめて、子どものようなその行動に自然と顔がゆるんだ。

 
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