朧月夜。の置き場


□10.
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眠たかった筈の身体は、おだんごをみて完全に目を覚まし、睡魔なんかどこかに消えてしまった。


「星野?」



ぼーっとして動かない俺を不思議そうに見つめるおだんご。

未来の彼女はきっとうちの火球王妃のように家事仕事などせずに過ごしているのだろう、

四苦八苦しながら目玉焼きを焼こうとしたり、ご飯を炊いたりしている姿がとても可愛らしいかったので見蕩れてしまっていた。



「えぁ、わり、手伝うよ。」


ぼーっと入り口付近で突っ立っていた身体をようやく動かし、
キッチンに入って、火がつかないで困っていたおだんごに替わってコンロの火をつけてやる。


「ありがとうございます。」


丁寧にお礼を言うおだんごに笑顔で返事を返して、きっと分からないだろう、皿だったり、調味料だったりを台の上に置いていく。




徐々に目玉焼きが出来て、ベーコンも焼いて、冷蔵庫にあったのだろうか、アスパラやブロッコリーなんかも添えていく。

「すげーじゃん。」


素直に感心してしまった。

俺の用意した皿に盛り付けて、
今度は朝はパン食の俺たちがいつも食べているパンを、トースターで焼いていく。


男の3人暮らしではダイニングテーブルなんてものは用意してないので、バーカウンターの様になっているテーブルに並べていく。



珍しく起きてこない大気、いつも遅い夜天を放って先に食べる準備を始める。


「待っていなくて良いのですか?」

「いいって、別に。起きてこねーのが悪いんだし。冷めないうちに食っちまおうぜ。」



俺が飲み物を入れてりしていると、おだんごは心配そうに言っていたが、構わねーだろ。




「いただきます。」

「い、いただきます……。上手に焼けているかしら・・・?」



二人で並んで食べ始め、現在の高校生の彼女とは違い、お上品な食べ方をするおだんご。

そんな彼女を横目に、俺はおだんごの手料理が嬉しくて、ばくばくと勢い良く食べる。


あっという間に食べ終わって、「ご馳走様。」とだけ言って席を立ち、自分の分の食器と、先程使った調理器具を洗っていく。



ジャーっと、水を流す音で、おだんごは俺が洗い物をしてるのに気付いたらしく、「そのまま置いておいてくださいな、やりますから。」
と声を掛けてきたが、俺は「いいよ、これくらい。」と無視してそのまま洗い物を終わらせる。



一応、男の3人暮らしだし、家事は大気がよく気が付いてしてはくれるが、分担制な俺たち。
意外と俺や夜天も、一通りの家事はこなせるので、洗い物をしてもささっと終わらせれるんだぜ。





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