朧月夜。の置き場


□10.
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おだんごも食べ終わって、
おだんごの食器を俺が洗うやおたんごが洗うやよ攻防をして、
結局俺の粘り勝ちで洗ってやった。

その後は2人でゆっくり食後のコーヒーを飲みながら、ポツリポツリと未来の地球の話を聞いていた。



クリスタル・トーキョーと言われるだけあって、煌びやかなクリスタルで覆われた宮殿や、街並みの美しさ。


もう戦士としては変身できず、戦えないこと。
幻の銀水晶というのが、存在すること。


守護戦士としていつまでも側にいてくれる友だちのこと。


おだんごは敢えて話さなかったし、俺も聞かなかったが、衛さんとの思い出もたくさんあるだろう。
そこには触れてこなかった。



「今が、同じ未来になれるのか、同じ世界の過去なのかはわたくしには分かりませんが、同じであれば、これから過去のわたくしや、みんなが大変な困難に立ち向かうことになると思います。
ーーーーこんなこと、言ってはいけないのかもしれませんが………、過去の、今のセーラームーン達を助けてあげてください。」


「ーーーわかった…。」



そう言う彼女の姿は、やっぱり現在の子どもの彼女とは違って、大人で、
一国を統治するクイーンであると再認識させられる。

強い口調、真剣な眼差しで言われるその言葉に、俺も真摯に答えなければと思ったが、情けないことに、出てくる言葉は了承の返事だけだった。




きっと、これから俺たちには色々な困難が待ち受けているんだと感じた。

そして、いつまで地球に居られるか解らないが、俺たちはおだんごが大変なときに、側に付いててやれるんだ、と。



「ーーーーありがとう…。」


と、少しホッとした様な表情をするおだんご。

安心させたくて、俺は少しぎこちなくだけど、笑顔で「おぉ。」と簡単な返事をする。




「ーーー来て、良かったです……。」


「俺も、未来のおだんごに会えてよかったよ・・・。」




先程の緊迫した雰囲気は無くなり、落ち着いた雰囲気を取り戻す。





「・・・・。」

「・・・・・。」



2人で無言でコーヒーを飲む。

黙っていても、気まずい雰囲気は無く、穏やかな空気が流れる。



きっと、こんな空気感も、今のおだんごとは作れない、大人の女性とだから出来る雰囲気なんだろうな。

だから、この雰囲気は今だけなんだと思い、のんびりと過ごそうと思った。





→アトガキ。
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