シリーズ短編。の置き場


□夢から醒めないで
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教室にいた。
授業をしていたと思ったけど、気が付いたら休み時間になっていた。

「あれ?」


多少の違和感を感じながら、前に座っている愛しい彼女に声をかけようとする。

と、声を出す前に、彼女はくるっと振り返って、とても可愛らしい満面の笑みを浮かべてくれる。


「星野!ねえ、星野ぁ?」



ーーーーん?


ここでもまた違和感。
おだんごの言い方がなんだか甘ったるい感じに聞こえてくる。




「ねぇ?星野ったらぁ?」

名前を呼んでも返事をしない俺に、おだんごはそっと俺の腕をつんつんとしてくる。



ぼーっとしながらその動作をみている俺。


少し上目遣いに俺を見ながら、俺の腕をツンツンするおだんご。

ーーー可愛い……。


素直にそう思った。



「星野?どうしたのさ?ぼーっとして。
更に馬鹿にでもなったの?」


「更にってどういう意味だっ、たく。」

すっと現れた夜天が、悪態をついてくる。



「なんだか様子が可笑しいですね。体調でも悪いんですか?」


大気は俺の身体を気遣ってーーー、……ではなく、体調不良で仕事がダメになるほうを気にしてた。

ーーーなんて奴らだ。



「ねえ、星野。ほんとに大丈夫?」

「……なんでもねぇよ。ぼーっとしちまってただけさ。」


おだんごってこんなに可愛いかったっけ?
いや、元々可愛い顔なんだけど。

って、そうじゃなくてーーー、



何がどうとはハッキリ分からないが、先程けらずっとある違和感。
何かが違う。

何とはハッキリ言えないが、しっくりこない感じを受ける。




「ーーーー?」


ヤケにニコニコしてるおだんご。

そんなおだんごと、珍しく楽しそうに談笑する夜天や大気。



なんだ?
どうなってるんだ?




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