朧月夜。の置き場


□11.
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きっと、朝から合流して、いつでも行けるように近くで待機していたのだろう・・・。


自宅に来ても良いよという返事を出してから、ものの数分で、オートロックのチャイムが鳴った。



まさかな……。さすがに早過ぎる・・・。
と思いながらドアモニター画面を覗けば、ズラッと4人並んで返事を待っている姿が見えた。


「ーーー着いたみてーだぞ…。」

という俺の言葉に、大気と夜天は同じように吃驚していた。


俺は返事はしなくて良いか、と、そのまま解錠のボタンを押す。



「さすが・・・、ですね。」

「まあ、連絡取れてから来るようにしただけマシじゃん?」


なんて、結局会えることに嬉しそうにしている大気と夜天。



「そうですね、……みんな、変わらないですね。」

と、おだんごも嬉しそうにしていた。



ピンポーンっと、
そんな話をしていたら玄関の方のドアも鳴り、これかれ騒がしくなるぞ、という知らせをくれる。




大気がドアを開けに行き、
「おっじゃましまーす!」
と元気な声で1番に入ってきたのは愛野。
その後に、火野、水野、木野と続いていた。




挨拶もそこそこに、いつもなら自分の彼氏に一直線の愛野だが、今日はおだんごの方に駆け寄り、
「おはようございます、クイーン。大丈夫でしたか?」

と声を掛ける。



おだんごも顔なじみの彼女たちに会い、やはり俺たちだけでは緊張していたのか、ほっとしたような表情で、
「おはようございます、快適に過ごさせていただいていますよ。」
と返事していた。


「朝食は済まされましたか?もしまだなら、簡単でよければすぐ作りますよ。」

木野が手に持っていたスーパーの袋をキッチンのほうに下ろし、買ってきた食材を終いながら言う。

「もう食ったから大丈夫だぜ。おだんごが作ってくれたんだ。」


と言うと、みんなで「えーーーーっ!」と驚いていた。


「そんな、クイーン、大丈夫でしたか?」
「大気さん!クイーンにご飯を作らせるなんて・・・!」

と俺たちを責める彼女たちにおだんごは「違うんですよ!」と慌てて止めに入ってくれた。



「わたくしがお腹が減ったので、勝手ながらキッチンと食材をお借りしてしたたけですから。」


「で、でも・・・。」

という愛野に、おだんごは「大丈夫です。」と優しく諭す。




昨日も見て思っていたが、過去の、普段の彼女たちは、護るべきプリンセスとその守護戦士、という間柄より、
仲の良い友だち、という印象が強かったが、未来のクイーンのおだんごには、主従関係のが強く見てとれる。


そこも、時代と共に変わっていくところなのだろうか、と昨日はどうだった!?とか楽しそうに話す彼女たちをみてぼんやり思ってしまった。

キャッキャッしながら話してる姿はあんまり変わんねーのになー。
やっぱり、未来のおだんごなんだな、と実感する。




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