朧月夜。の置き場


□02.
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座り込み、取り敢えずどうすべきか考えた。



え〜と、まずは本人といっても
大人の姿では家族に会うのはマズイ。



一番いいのは、このまま見付からず外に出て、
自分の守護戦士たちに会うこと。


彼女たちならば、事態を把握し、
期限まで助けてくれるだろう。



そうとわかれば、まずは連絡を取らねば…!




そう考えを巡らしていた矢先、

過去の自分が使っていた、携帯電話が鳴る。

着信の知らせだ。




出るべきだろうかと、それを見た。


ディスプレイには、


‘星野光’と書かれていた……。





思わず、指が勝手に通話ボタンを押した。




「・・・・・は、はい……。」





『あ、おだんご?
な〜にしてんだよ、皆とっくに集まってるぞ?
また寝坊か〜?』




陽気な彼の声。

話し方。





願っても願っても聞けなかった
その、自分を呼ぶ声が、
いとも容易く、流れてくる。







あたしは、それだけで、

涙が零れてしまった。




「・・・・星野だ……っ」



星野の声が聞こえる。


あたしに向けて話し掛けてきてる。





『おだんご…?どうした?』



電話越しの星野の声を聞きながら、
泣く声を抑えて返事をする。





「……せい、や・・・。」



『おだんご…?泣いてる・・・!?
何かあったのか?っ、おい、どーしたっ?』




あたしが泣いていることに気付いた星野が、
声を荒げた。


周りから動揺した声が聞こえる。




きっと、皆で集まっているのだろう。
彼女たちの声も聞こえた。






『…っ、おだんご、今どこだ?』



「・・・っ、いえ…のじしつ・・・」





もう、泣いて声の出ないあたしは、
居場所を言うのすら難しかった。




『すぐ行く!そのままそこに居てくれっ』



プッ、ツーツーツー……






彼はすぐに行くとだけ告げてから、
すぐに電話を切った。




あたしは機械音しかならない電話を見ながら、

星野と喋れた興奮を抑えた。




そして、もうすぐ会える・・・



ドクンッ




心臓の鼓動を感じる。
激しい音を奏でていた。





泣きじゃくった顔が、ふと鏡に写る。

大人のあたしわ見て、
彼はどんな反応をしてしまうだろう。




不安だ………。






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